(1984.3映像カルチャーホールプログラム「佐々木昭一郎の世界」より引用)

 魅惑的な瞳の持ち主である若い女性栄子の、音にまつわる罪の意識を描いたフィルム。
この作品は、人間の「生・老・病・死」による喜怒哀楽を、普遍的に象徴するために、日本の音楽を思い切って排除し、十二音階の西洋音楽の音とピアノの音をドラマの主要モチーフに用いている。
日本には、やわらかな四つの季節がある。
その四つの季節を、女主人公栄子の意識の流れに当てはめて、春夏秋冬ではなく、冬冬・春春・夏秋・冬冬というように描いてみせたフィルム。(佐々木昭一郎による番組紹介文)